更年期に備えましょう

更年期には、卵巣によるホルモンの分泌と受精に向けた排卵が終わるため、閉経します。閉経は、女性が年齢を重ねていく自然なひとつの過程です。
一般的に、更年期は45~55歳の間の期間を指しますが、人によってその経験は全く異なるため、もっと早期に始まる女性もいます。月経が完全に12か月間訪れなかった女性は、「閉経後」の状態にあると言われます。ただし、閉経移行期は急に始まるわけではなく、段階的なプロセスになります。
 
閉経周辺期と呼ばれるこの移行期間中は、まるでジェットコースターのようにホルモンバランスが急降下・急変動することになります。月経の最終章に向けて身体が準備を進める過程で、一部の女性は感情的変化のほかにも、寝汗やブレインフォグ(頭の中にもやがかかったようにぼんやりしてしまう状態)、そして膀胱機能の低下などあらゆる身体的変化を経験します。しかし、悪いことばかりでもありません。症状がほとんどない女性も多くいるほか、より生き生きとする女性もいます。
 
この自然なプロセスを進むにあたって不安を感じているとしても、それはあなたに限った話ではありません。フォーブスが実施した調査によると、女性の64%は更年期に対して準備不足だと感じていることが分かっています。
 
更年期についての知識が増え、何が起こり得るかを知るほど、心の準備もしっかりと進められるようになります。更年期について話し合う機会が十分ではないため、多くの女性が対処に戸惑うのです。閉経周辺期と更年期に向けて知っておくと良い内容をまとめていますので、引き続きお読みください。

私は、まさか自分が更年期障害を経験することになるなんて考えてもいませんでした。誰も教えてくれませんでしたから。

閉経周辺期とは何ですか?

更年期にいたるまでの移行期間は、閉経周辺期とも呼ばれています。一般的に、閉経周辺期は40代に始まり、平均すると4年ほど続きますが、もちろん個人差があります。数か月の場合もあれば、なんと12年に及ぶ場合もあります。
更年期までの準備段階として、卵巣から放出されるエストロゲン(生殖器系の維持をつかさどる女性ホルモン)の量が減少します。ほとんどの女性は、エストロゲンの減少がもたらす様々な兆候や症状を経験することになります。最もよく知られた症状として、月経周期の長期化または短縮が挙げられます。
 
月経周期の変化以外にも、閉経周辺期になると、ほてり、寝汗、睡眠障害、膣の乾燥、膀胱の機能低下、疲労感、ブレインフォグ(頭の中にもやがかかったようにぼんやりしてしまう状態)、気分変動、怒りっぽさ、不安感、片頭痛、関節痛などの症状があらわれたり、肌や髪の毛、変化を感じたりする方もいらっしゃいます。
 
幸い、閉経周辺期の症状に備えていくつかの準備をすることで、生活への支障を最小限に抑えることができます。

様々な意味で、身体の変化に気が付き始めます。

閉経周辺期と更年期に備えるためのポイント

1. 月経周期を記録する

多くの女性にとって、かつて月に一度の定期的なサイクルで訪れていた月経の変化が閉経周辺期の最初の兆候となります。あなたがどのライフステージにいる場合でも、月経周期を記録しておくことは良い習慣となります。これは、40代に近づき、月経サイクルの乱れ、短縮、長期化、あるいは予測不能な状態を経験する過程で特に重要なポイントになります。
更年期や閉経に備えるために、生理の記録を取る習慣をつけましょう。そうすることで、出血パターンや周期の異常が分かりやすくなります。月経周期を記録するためのアプリを使用するのも良いでしょう。中には、付随する症状を記録し、その重症度を評価できるものもあり、後日、医師に相談する必要がある場合に役立つかもしれません。

2. 健康を維持する

閉経周辺期や更年期に、体重増加や体型の変化を経験する女性はたくさんいます。これはエストロゲンと筋肉量の減少によって新陳代謝が衰え、脂肪の蓄え方が変化することが原因と言われています。
多少肉付きが良くなっても何の問題もありません。ある閉経後の女性は「ふっくらしたお腹になるのは、自然なことです」と語っていました。身体の変化は、不安を感じることもあります。しかし、これは年齢を重ねる中で自然なプロセスだということを理解し、受け入れることが大切です。
 
ホルモンバランスが変化することで、更年期の女性は一般的に、カルシウム、鉄分、食物繊維が不足していると言われています。野菜、乳製品、食物繊維を含むバランスの良い食事を心がけましょう。サプリメントを取り入れるのも良いでしょう。適切な水分補給を行うことで、身体から毒素を排出できます。
 
バランスの取れた食事を摂ること以外にも、できる限り定期的に運動するように心がけましょう。身体に無理のない範囲で行う有酸素運動やヨガは、ほてりなどの症状緩和に有効だと言われています。特に一睡もできないような夜が続いている時には、ちょっとした運動が大きな効果をもたらすかもしれません。

3. 髪の毛、肌、爪がすべて

閉経周辺期や更年期に備えるためにできることのひとつに、髪の毛や肌、爪のケアをしっかりすることが挙げられます。更年期には、多くの女性がこうした身体の変化を感じています。
ホルモンバランスが変化すると、髪の毛が薄くなったり、爪が弱くなったりするため、栄養を保つためのビタミン剤やサプリメントを取り入れてみるのも良いでしょう。こうした問題は、閉経後にホルモンバランスが落ち着くと自然と解消されることもあるので、安心してください。
 
筋力が低下し、コラーゲンが減少すると、肌がたるみ、シワが目立つようになります。これもまた、年齢を重ねる過程において、ごく普通の現象です。歳を重ねて、他人の目や意見に振り回されなくなるという方も多くいます。歳をとるのも悪くないですね。
 
メラニンの生成が遅くなると、肌が青白く見え、シミが目立ち始めることがあります。日焼け止めなどで紫外線から肌を守り、定期的に角質を取り除いて肌を活性化させ、年齢にあった保湿剤を使用し、肌のうるおいとしなやかさを保ちましょう。そうすれば、きっと気分も高まることでしょう。

4. 感情の変化に対処する

感情の変化は、最も一般的でありながらほとんど話されることのない更年期の症状です。エストロゲンの低下によって、まるで常に月経前症候群を経験しているような気分になります。また、ホルモンの量が最も減る月経直前の数日間は、感情の起伏が激しくなることに気が付くかもしれません。人や物にあたってしまうこともあるかもしれません。イライラや悲しみ、物忘れ、そして忍耐力の低下などを経験する機会が徐々に増えていきます。
多くの女性は、健康的な食事、良質な睡眠、そして定期的な運動によって更年期の感情の起伏を緩和できるといいます。閉経周辺期前の時期に、深呼吸、ヨガ、そして瞑想などの気持ちを落ち着かせる習慣を生活に取り入れることで、感情をコントロールしやすくなります。
 
大切な家族と更年期について話し合うことで、気持ちが楽になるかもしれません。あなたの身体に何が起きているのか、伝えてみましょう。たとえあなたが感情的になってしまうことがあったとしてもそれを許し、支えてくれるかもしれません。誰か話し相手がいるだけでも、気持ちは楽になるものです。

5. 更年期について話し合う

世界中で約600万人の女性が現在進行形で更年期を経験していることをご存知でしょうか?慈善団体”Menopause Support”によると、女性の約4人に1人は更年期に伴う様々な症状を経験し、多くの閉経後の女性は、周囲の理解やサポートは十分ではなかったと感じています。
閉経周辺期と更年期に備えるため、このトピックについて友人、家族、そして職場の同僚と気兼ねなく話し合えるように心がけましょう。閉経することに不安を感じるかもしれません。また、あなたの職場には更年期の女性に対してどのようなサポート体制があるのか、知りたいかもしれません。更年期についてオープンに話し合えば、そのネガティブなイメージを取り除き、同じような悩みを抱えているほかの女性にも力を与えることができます。

6. 更年期向け製品や治療の選択肢について調べる

閉経周辺期と更年期に備えるため、様々な治療法について調べ、検討してみるのも良いでしょう。例えば、減少したホルモンを補充するホルモン補充療法(HRT)などの薬物治療、膣の乾燥を和らげるための潤滑油など適切な物品の活用、気持ちの落ち込みには認知行動療法などの心理療法が有効な場合もあります。また、骨盤底筋体操を行い、TENAのパッドをご使用いただくことで、更年期の失禁のお悩みを解決する助けになることもあります。

閉経周辺期と更年期が訪れたとしても、一人で抱え込む必要はありません。様々な治療の選択肢を調べておくことで、困難な状況に直面した時もどのように対処すれば良いかよく分かります。
誰でも、周りに一人くらいは更年期を経験している人がいるはずです。あなたの身近な人がどのように更年期を過ごしたのか、聞いてみてはいかがでしょうか?更年期を乗り切るコツやポイントは人それぞれです。更年期について十分に話し合う機会がないからといって、突然訪れる身体の変化に不安になることはないのです。準備をすればするほど、楽になるはずです。

TENAは更年期の失禁に関するアドバイスを提供し、あなたをサポートします。閉経周辺期と更年期に備えるためのサポートがもっと必要だと感じたら、ためらわずにお近くのかかりつけ医など、専門医にご相談ください。